【決定版】海外移住後の医療②【オーストラリア公的医療制度メディケアと民間医療保険】


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こんにちは

さて、突然ですが皆さんは医療保険について興味ありますか?想像ですが、あまり興味ないのではないでしょうか。

病気や怪我をした時に私たちは病院に行き治療を受けます。日本では医療費は総治療費の3割で、残り7割は税金でまかなわれています。これが公的医療制度で、国民保険(国保)と国民健康保険(健保)です。

あなたは海外(移住後)の医療保険について考えたことはありますか?

海外の医療保険も日本と同じじゃないの?

ノー!

海外の公的医療制度は国により違います。オーストラリアの公的医療はしっかりしていますが、日本とは仕組みが違います。

今回は、海外移住したい人が知りたい、でも分かりにくい海外の医療制度をオーストラリアを例に完全解説します。

本ブログを読めば、オーストラリアの公的医療制度メディケアの内容とその医療カバー範囲、民間医療保険の補完領域が理解できます。

あなたの海外移住において健康に暮らすことは何よりも大切なことの一つです。ボリュームたっぷりの有益な情報です。最後まで読んでください。

簡単に自己紹介させてください。

ハンドルネーム「ノーベル君」と申します。私は日本がバブル経済と呼ばれた1990年代前半、大手電機メーカーに新卒で入社しました。

会社への愛が100%のジャパニーズ・ サラリーマンでしたが、30代後半に日本社会とサラリーマン人生で直面する不自由で画一的な価値観の押し付けに毎日ストレス満タン。

自分の人生を変えようと、海外移住を決意しました。47歳でオーストラリア移住ビザを取得して、シドニーに家族3人で移住しました。仕事はオーストラリア現地企業でマーケティング担当をやっています。

私は、多くの日本人サラリーマンが目指す「出世」は叶いませんでしたが、海外移住して毎日ストレス・フリーをモットー生活しています。

決定版】海外移住後の医療②【オーストラリア公的医療制度メディケアと民間医療保険】

目次
1.おさらい:日本の公的/民間医療保険
2.オーストラリアの公的医療保険「メディケア」
3.公的医療保険/メディケアだけで大丈夫??
4.オーストラリアの民間医療保険について
5.日本の民間医療保険を見直そう

1.おさらい:日本の公的/民間医療保険

オーストラリアの公的医療保険を紹介する前に、日本の公的医療保険を簡単に説明します。

日本の場合を理解した後にオーストラリアの医療保険を日本と比較しながら読んでいただくと、理解しやすいと思います。

1-1.健康保険

会社員や公務員が加入している公的医療保険です。「健保」と言われる強制保険です。

各企業や団体によってまたは自身の収入、扶養家族ありなしによって毎月の掛け金は変わります。あなたが今、企業に勤めていれば給与明細に金額は記載されています。

一般的には加入者が支払う保険料と同金額を健康保険組合が負担しているため、掛け金を低く抑えています。保険料は毎月給与天引きされていますね。

治療費以外に出産、ケガや病気で入院や手術を受けると一時金が受け取れます。

治療時の費用は俗にいう「3割負担」です。かかった総治療費の7割を健保、3割を加入者が支払います。病院から処方された薬も同様な比率負担です。

医療費用の3割を患者が支払うため、風邪やちょっとした治療なら問題ないですが、手術を受けたり長期治療となると大きな金銭的な負担になります。

1-2.国民健康保険

上記の健康保険と字が似ているため紛らわしいです。「国保」と呼ばれる強制保険です。

健保は健康保険組合が運営するのに対し、国保は国が運営しています。国保の加入者は自営業者や失業者など健保に加入しない人が対象となります。

保険料は収入によって変わります。健保のように扶養家族を含めた家族でいくらという概念がなく家族個人一人一人保険料がかかります。子供も減額されますが保険料がかかります。

同じ所得で健保と国保を比較すると健康保険組合からの補助が無い分、国保が健保より高くなることがあります。

健保のような出産一時金や、大きなケガ、長期療養への一時金はありません。

治療時の費用は健保同様「3割負担」となります。

また失業者や低所得層、生活保護の方には大きく減額した保険料設定になっており、国保は医療を受けられない人を作らない、まさに国民全体をカバーする保険と言えます。

1-3.日本の公的医療の特徴

日本の公的医療制度の保険料計算はものすごく複雑になっています。本来ならこのブログで「いくらです!」と書きたいのですが、ちょっと無理です。

健保の方であればご自身が加入する健保のサイト、国保であれば国保のサイトで計算できるし、電話問い合わせでも答えてくれます。

日本の医療体制の特徴の一つに専門医に直接患者が受診できることがあります。目が調子悪ければ眼科、耳だと耳鼻咽喉科、皮膚だと皮膚科へ直接行きますよね。これは日本の独自のやりかたです。

日本の公的医療保険は3割を負担する必要はありますが、かなり幅広い治療に保険がカバーされています。

最後に一点、後期高齢者保健というのがあります。このブログを読んでもらっているあなたには関係がないので割愛します。75歳以上の方向けの公的医療制度です。

1-4.日本の民間医療保険

日本の民間医療保険は大手生命保険や外資系保険会社が独自に販売しています。これは日本の公的医療「3割負担」だけでは大きなケガや病気の治療で出費がかかるために、補助をする保険です。例えば入院した場合に1日いくら、ガンになったらいくら、といったメニューになっています。

公的医療制度の内容を考慮し、それを補完するために民間医療保険に加入します。加入はもちろん任意です。

日本の公的医療制度と民間医療保険をおさらいしましたので、次にお待ちかね、オーストラリアの医療制度を解説します。

2.オーストラリアの公的医療保険制度「メディケア」

オーストラリアの公的医療制度は「メディケア(Medicare)」と呼ばれ、オーストラリア国民と永住者が加入する強制保険です。

メディケアはあなたがオーストラリア永住権を取得すれば、加入する医療保険です。

永住権を取得すると、オーストラリア政府

の住民サービス/Centrelinkの窓口もしくはネットからメディケアに登録ができます。

登録が終了すると、上記写真のようなメディケア・カードが自宅に郵送されます。カードには家族の名前が記載されています。日本同様、メディケア・カードは身分証としても利用されています。

2-1.オーストラリアでの病気、ケガ治療と通院の流れ

メディケア・カードが届けば、今すぐにでもオーストラリアの公的医療を受けられます。
ただし、オーストラリアと日本では治療のフローがかなり異なります。

日本で体の具合が悪くなったら、まず体のどこの具合が悪いかによって病院を決めます。内科、外科、皮膚科などいろいろありますね。つまり医者にかかる最初の段階で、患者は特定の分野の医者を決めることになります。

一方、オーストラリアでは、体の具合が悪くなったら、それが体のどの部分だとしても、まずは「一般開業医/クリニック(GP、General Practitioner、ジェネラル・プラクティショナー)」という医者に診てもらうことになります。

彼らは患者のどんな病気でもまずは対応し、必要な場合は薬を処方します。そして、患者の経過をみて「薬の処方だけでは改善しない」、または「自分の手に負える症状ではない」と判断すると、それぞれの分野の専門的な医者に患者をまわすことになります。

症状の軽い患者はGPで捌き、そこで捌ききれない患者は次ステップへ、という二段階構造になっています。

言葉の説明です。「病院」と日本語で言ってもオーストラリアでは何種類も病院の名称を分けて使います。

GP:クリニック
Test Specialist:(レントゲン、超音波、MRI等)検査専門病院
Specialist :(外科、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科、神経外科等)専門病院
Hospital:日本の総合病院、大学病院のように高度治療、入院、手術ができる大きな病院
上記4つはすべて病院のことです。本ブログ内では「病院」とはこうした医療機関の総称として使います。
またGP、Specialistはドクターのことも指します。病院を指してるのかドクターを指してるのか気を付ける必要があります。本ブログ内で「ドクター」は医師の総称として使います。

以下が病気やケガになった時の全体の流れです

①病気、ケガ(歯の治療除く)になった場合、まずGP(General Practitioner)と呼ばれるクリニックを受診します。GPで治療が完結する場合はそれで終わりです。

②検査(レントゲン、超音波、MRI等)が必要な場合はGPから紹介状(Referral)をもらい、Test Specialist (検査専門病院)を受診します。検査のアポイントメントはGPがとってくれる場合もあれば患者自身でアポをとる場合もあります。。TestSpecialistには採血から始まり最新のX-Rayや超音波検査、MRI等設備されています検査終了後、検査結果はGPへ自動で送られ、GPが追加の治療が必要か判断し、患者へ連絡されます。


Specialist 門病院)での治療が必要な場合はGPが紹介状を作り、Specialistを紹介されます。SpecialistのアポはGPがとってくれることもあれば、患者が自分でとることもあります。
GPの紹介状を持ってアポに日時にSpecialistを受診します。GPからの紹介状がないとSpecialistは受診できません。
Specialistは検査結果、診察から判断し、手術や入院、高度治療が必要な場合はHospitalを紹介、アレンジします。

私はこないだSpecialistにステロイド注射を打ってもらいました。以前足の裏の痛みでGP、Test Specialist を経てSpecialistと診察後すぐにステロイド注射治療を受けました。このように簡単な治療はSpecialistが行います。


Hospitalで手術、入院をします。最初に受診したSpecialistドクターからHospitalのSpecialistドクターへバトンタッチされることもありますし、最初のSpecialistドクターがHospitalに執刀して手術や治療をすることもあります。
またSpecialistとHospitalが同一の病院という場合もあれば、全く別の病院ということもあります。

GP、Test Specialist、Specialist のドクターは勤めている病院の従業員ということもありますが、個人事業主として独立していることも多くあります。このドクターはこの病院には週にいつといつ執刀する、その他の曜日は別の病院などかなり柔軟な働き方です。必ずしもドクターは病院に雇用されているわけでないことを理解してください。日本の病院の常識で受診すると混乱するかもしれません。気を付けましょう。
上記①GP→②Test Specialist→③ Specialist→④Hospitalの流れをしっかり理解していればオーストラリアで治療するときに冷静に対応できます。

①GP→③ Specialist→②Test Specialist→④Hospitalというパターンも①GP→②Test Specialist→③ Specialist→②Test Specialist→④Hospitalということも症状によってありますので、柔軟に対応しましょう。

以下GP(クリニック)のイメージ写真☟

以下Test Specialist(検査専門病院)イメージ画像☟

以下Specialist(専門病院)(皮膚科の場合)イメージ画像☟

以下Hospital(総合病院)イメージ画像☟

GP→Test Specialist→Specialist→Hospitalという流れで受診しますが、その日程は別々です。オーストラリアの場合翌日というわけにはいかず、数日後、数週間後になり、かなりイライラします。

ただし、救急患者は別です。Hospitalは救急窓口(Emergency Department)があります。急病の場合は、直接自分で行っても、救急車を呼んで行っても急患として受診できます。

2-2.メディケア保険料

メディケア税(Medicare Levi)が保険料として課税されます。メディケア税率は課税所得の2%です。収入が多いと増加します。課税所得が$70,000ドル(595万円)/年だと$1,400(12万円)/年がメディケア税となります。そして高収入のひとには税率が2%からさらに引き上げられます。会社従業員だと、月割りした金額が給与天引き、自営業者だとTAXリターンという確定申告時に支払います。

世帯主が一定以上所得があり、かつ扶養家族(主婦、主夫、未成年の子供)がいる場合、世帯主の課税所得の2%で扶養家族分のメディケアもカバーされます。つまり扶養家族(主婦、主夫、未成年子供)のメディケア税は免除です。

いかがですか、日本と比べるとオーストラリアの公的医療の負担額はかなり低く抑えられています。

世帯主が低所得の人にはメディケア税そのものの支払い義務が免除されます。所得境界は家族収入と家族構成で決まりますが、2019会計年度で単身の方で年収が課税所得$22,398(190万円)、夫婦子供なしで家族収入$37,794(321万円)、家族子供一人で家族収入$41,265(351万円)以下ならメディケア税はかかりません。

また高齢者への免除制度もあります。

2-3.メディケアを使った医療とその医療費用はいくら?

メディケアを使って病院を受診するとどのくらい費用がかかるかですが、まず最初にオーストラリアの医療にはPublic(公的医療)Private(民間医療)があることを理解してください。

ご想像の通り、Privateのほうが医療費用が多くかかります。前項の受診フローに準じてPublicとPrivateの医療費を説明します。双方の医療内容の違いにも触れます。

オーストラリアの医療にはPublicとPrivateがあると言いましたが、その医療費は二つに分かれます。Bulk Billing( バルク ビリング)Private Billing(プライベート ビリング)です。

診察費(Schedule Feeと言います)や治療費は「国が定めた標準診察・治療料金」と病院が独自で定めた「追加診察・治療料金」の二種類があります。

Bulk Billing はこの「国が定めた標準診察・治療料金」分の医療行為を行い、病院が医療費を国にまとめて請求します。メディケアはこの「国が定めた標準診察・治療料金」を全額保障します。つまりメディケアに加入していれば医療費を支払う必要はありません。「まとめて国に請求する」というところからBulk Billingと言われています。

Private Billing は「国が定めた標準診察・治療料金」に病院やドクターが独自で定めた「追加診察・治療料金」を設定しています。この「追加診察・治療料金」が患者の個人負担(有料)となります。

オーストラリアでは患者の個人負担額をOut-of Pocket Costs(個人負担額)と呼んでいます。

このOut-of Pocket Costsドクターや病院がある意味自由に設定できるためドクターや治療内容によって大きく変わってきます。

Public(公的医療)の場合、Bulk Billingで無料のケースが多いですが、治療内容によってはPrivate BillingでOut-of Pocket Costsがあることもあります。

Private(民間医療)の場合はほぼすべての場合でOut-of Pocket Costsがあると思っておいて間違いないでしょう。

病院に掛かるときはOut-of Pocket Costsがいくらなのか常に確認が必要です。

①GPの費用

GP(クリニック)ですが、PublicはBulk Billing GPとPrivateはPrivate Billing GPと呼びます。

Bulk Billing GP

Bulk Billing GPの診察費用はメディケアがあれば無料です。

細かい話ですが、Bulk Billing GPの受診を時間予約する場合、数十ドル予約料がかかりますので注意が必要です。アポなしでBulk Billing GPに行って待合室で待って受診すれば費用が掛かりません。アポをせずBulk Billing GPを当日訪問し受付する際、「前回と同じGPドクター」といった感じでGPドクターを指名することはできます。

Private Billing GP

「国が定めた標準診察料金」にGPが独自で定めた「追加診察料金」を設定しています。この「追加診察料金」が患者の個人負担(有料)となります。

患者の支払いは、治療後に総医療費を患者が支払います。その後「国が定めた標準診察料金」相当額がメディケアから患者の銀行口座に入金されます。Private Billing GPのスタンダードな診察費が$85だとします。私の場合「国が定めた標準診察料金」は$37なので、$85-$37=$48がOut-of Pocket Costs(個人負担額)です。

メディケアから「国が定めた標準診察料金」としてお金が戻ってくると書きましたが、この額はMedicare Rebateと呼びます。Medicare Rebateはその患者の前年の年収によって変わります。年収情報はメディケアとリンクされています。前年年収が少ないとMedicare Rebateは増え、年収が多いとMedicare Rebateは減額されます。


Private Billing GPはこの「追加診察料金」を独自に決められますが、実際にはGP間での競争もあり、相場は決まっています。子供は「追加診察料金」を取らなかったり、安く設定するPrivate Billing GPは多いです。また、評判のいいGPドクターはより高い「追加診察料金」を設定することもあります。同じPrivate Billing GP内でもドクターによって金額が変わることはざらにあります。

Bulk Billing GPとPrivate Billing GPの見分け方はGPの入り口に「Bulk Billing」と大きく看板が出ています。この看板が無ければPrivate Billing GPです。もし不安なら受付で聞けばすぐ教えてくれます。

Bulk Billing GPとPrivate Billing GPは何が違うのでしょうか?どちらかがいいのでしょうか?
一概には言えませんがPrivate Billing GPが設備、治療、ドクターの観点からより良いといわれています。ただし、風邪や軽度のケガなどはBulk Billing GPとPrivate Billing GPどちらでも変わりません。

オーストラリアではGPに掛かった件数のうち80%はBulk Billing GPだそうです。

Private Billing GPは待合室が豪華だったり、簡易な検査設備があり、ネット予約可、患者が多くないので待ち時間が少ないと言われています。

また、我々外国人にとって、病気やケガの時に自国の文化や言語で寄り添って診察してくれるドクターは大変心強いです。Private BillingGPの強みとして様々な文化や言語をバックグランドに持つGPがいます。
母国語で受診できるということでPrivate Billing GPを掛かりつけ医にする人は多くいます。オーストラリアには日本人GPドクターも多く、多くの日本人が日本人GPを掛かりつけ医にしています。

②Test Specialistの費用

Test Specialist(検査専門病院)ですが、採血検査、超音波検査、X-Ray、MRIなど様々な検査を行う専門病院です。小規模なTest Specialist もありますが、全国ネットワークチェイン化した大手のTest Specialist もあります。
一般的にTest SpecialistはPublic(公的医療)、Private(民間医療)共に利用する共通の病院施設ですが、中にはPrivate Hospital内に併設され、Private患者の専門Test Specialist もあります。

Bulk Billing

Bulk Billing GPから紹介され、メディケアを使えば通常Test Specialistは無料です
患者は検査を受けた後はお金を払わず帰ります。Test Specialist は「国が定めた標準診察料金」を国に請求します。
ただし、MRIなど最新設備の検査は個人負担がある場合があります。GPがTest Specialistを紹介するときにOut of Pocket Costs(自己負担)があるか確認しましょう。

Private Billing

Private Billing GPから紹介された場合はTest Specialist費用にバラツキがあります。

Private Billing GPからの検査依頼内容が「国が定めた標準診察・治療料金」内の検査であれば無料、それを超える追加内容や担当したTest Specialist よっては「追加診察・治療料金」がかかります。

一般的にはPrivate Billing GPから紹介のTest SpecialistはOut of Pocket Costs(自己負担額)があると考えたほうがいいでしょう。Out of Pocket Costsが安いTest Specialistは混雑し、費用が高いところは患者が少なくてすぐに検査が受けられる特徴があります。

GPがTest Specialistを紹介したときに必ずOut of Pocket Costsが有るか無いか確認しましょう。
Out of Pocket Costsがある場合、Test Specialistを受診したときに受付のスタッフに費用がどうなるか、確認することをお勧めします。メディケアカードをスタッフに渡せば、すぐにメディケアからの補助額を調べてくれます。

患者の支払い方法はPrivate Billing GPと同じです。検査後いったん全額支払い、後日「国が定めた標準診察料金分が銀行口座に入金されます。患者の前年の年収によってメディケアの保障金額が変わります。

以前私Private Billing GP紹介ではMRIをTest Specialistでやりました。メディケア補助はなく$600(5万円)ほどOut of Pocketでした。

③Specialistの費用

Bulk Billing

Specialist(眼科、外科、皮膚科、内科など専門病院)費用はTest Specialist 同様、Bulk Billing GPからの紹介状で受診した場合はメディケアでカバーされ、通常無料です。
念のためBulk Billing GPがSpecialistを紹介したときに必ずOut of Pocket Costsが有るか無いかを確認しましょう。

Private Billing

Private Billing GPから紹介された場合は、Specialistは「追加診察・治療料金」を設定しており、患者はOut of Pocket Costs(自己負担)を払います。

人気のあるSpecialistの費用は高額なこともあります。日本でも心臓手術の名医の予約はなかなか取れないですよね。
オーストラリアは予約が取りづらいのみならず、費用も特別高くなります。
大きな手術をするとき以外でもSpecialistを予約するときに追加費用がどうなるか、確認することを絶対にお勧めします。メディケアカードの情報をスタッフにつ伝えれば、すぐに総額とメディケアからの補助額を調べてくれます。


患者の支払い方法はTest Specialistと同じで診察、治療時いったん全額支払い、後日「国が定めた標準診察治療料金」分が銀行口座に入金されます。

私の経験では外科のSpecialistの診察費は$150(1.2万円)でした。後日$37(3千円)が「国が定めた標準診察料金」がメディケアから保障され銀行に入金されました。

ここから大事なのですが、

軽い病気やケガ、簡易な治療であればBulk Billing の無料のSpecialistでもPrivate Billingの有料Specialistでもどちらでもいいでしょう。

個人的には、無料だからBulk Billing Specialistがいいと思います。

しかし、病院で入院や手術など高度治療で患者がPrivate Hospital(民間病院)を選ぶ場合はSpecialist選択が重要です。

Private Hospitalを選ぶのであれば、GPにこのHospitalPrivate治療を受けたいと具体的にHospital名を希望すれば、適切なSpecialistドクターを紹介します。またこのOO専門医に診てもらいたいというドクター指名の希望があれば紹介してもらえます。Private HospitalとSpecialistドクターはある種セットになっている場合が多いです。

④Public HospitalとPrivate Hospitalの病院治療費用

Specialist を経て入院、高度治療、手術を病院ですることになった場合、Public Hospitalで治療する患者は「Public Patient」、Private Hospitalで治療する患者は「Private Patient」と呼ばれます。

Bulk Billing

Public Patientとして病院治療費をBulk Billingで済めばメディケア無料です。


すごくないですか、Bulk Billing GP、Test Specialist、Specialist、Public Hospital全部無料ですよ!さすがメディケアBulk Billing 、さすがオーストラリア!!ははは

Private Billing

Private Hospitalで治療を希望するPrivate Patientの場合はどうでしょうか?

実費です。入院緒費用、入院ベッド、手術室利用料、検査、医療設備利用料、食事、薬などなど。(Private治療のうちドクターの執刀費用についてのみメディケアから75%補助されます。)
日帰り入院手術で$5,000(40万円)~$6,000(48万円)、1週間入院で$20,000(160万円)~$30,000(240万円)ということもあります。

公的なPublic Hospitalはゼロドル/無料でいっぽうPrivate Hospitalは$30,000(240万円)、それ以上。この差はToo Bigです。

Public HospitalとPrivate Hospitalの中身の差については後程解説します。

薬代

GP、病院で使われる薬は治療費の中に含まれます。患者が薬局にて購入する処方箋薬のうち高額な薬はメディケアから補助があります。しかし補助があっても高いです。 処方薬3割負担の日本と比べるとオーストラリアの処方薬は高いです。

だからかどうかわかりませんが、GPはたくさん薬を処方しませんし、処方されても値段が高いのでオーストラリアの患者はそれほど薬を購入しません。

オーストラリア永住者がメディケアに介入している前提で以下にPublic(公的医療)とPrivate(民間医療)でどう費用が違うか表にしました。必ずしもTest SpecialistやSpecialist、Hospitalに掛かる訳ではありません。軽症の場合はGPだけで終わります。

メディケアですべて無料の場合、Bulk Billing GPからのPublicのケース

Bulk Billing GP(クリニック)Bulk Billing (無料)
Test Specialist(検査専門病院)Bulk Billing (無料)、高額検査は有料またはOut of Pocket Costsあり
Specialist (専門病院)Bulk Billing (無料)、SpecialistによってはOut of Pocket Costsあり
Public Hospital(公的総合病院)Bulk Billing (無料)、治療によってはOut of Pocket Costsあり
処方薬実費 (入院中は無料)     
救急車実費

民間医療の場合、(一般)GPからのPrivateのケース

Private Billing GP(クリニック)Private Billing (Out of Pocket Costs/メディケア補助あり)
Test Specialist(検査専門病院)Private Billing (Out of Pocket Costs/メディケア補助あり)
Specialist (専門病院)Private Billing (Out of Pocket Costs/メディケア補助あり)
Private Hospital(民間総合病院)実費&高額
処方薬実費
救急車実費

何度も書いていますが、病院に掛かる場合は費用がどのくらいになるか確認しましょう。支払いの時になってびっくりしないためにも。

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Test SpecialistからHospitalまで以下のフレーズで確認しましょう。

1.What are your fee?(医療費はいくらになりますか?)
2.Will I have any out-of-pocket fee?(私の持ち出し費用は’ありますか?)
3.Are there fees for any other doctors?(他のドクターの費用は(追加で)ありますか?)
4.Is your fee an estimate only?(医療費は(確定ではなく)概算のみですか?)
5.Can I have an estimate of your fee in writing?(概算額を書面でいただけませんか?)

自分が納得するまで確認する。それがオーストラリア流です。

3.公的医療保険/メディケアだけで大丈夫??

オーストラリア人、オーストラリア永住者が、Public PatientとしてBulk Billing GP→TestSpecialist→Specialist→Public Hospitalを受診すればメディケアで全額カバーされ無料です。

しかし、このメディケアにも心配なことがありますので解説していきます。

メディケアだけでケガや病気への備えは十分なのか、読み進んでください。

3-1.メディケアの良いところ

メディケアはオーストラリア国民全員が医療を受けられる素晴らしい制度です。ちょっとした風邪やケガ、体調不良はメディケアだけで全く問題ありません。

メディケア・カードに記載されているメディケア番号は家族それぞれ枝番号で個人管理されており、過去の治療履歴や予防接種歴をデジタルデータで一元管理しています。今後コロナウィルスのワクチン接種も始まりますが、このメディケア番号に紐づけされて管理されます。

3-2.メディケアの悪いところ

そんなメディケアにも残念なところがいろいろあります。

3-2-1. 救急車呼ぶと有料

はい。救急車等の救急搬送費用はメディケアでカバーされません。救急車を利用した時間や救急車内での治療により費用は変わりますが$250-$500(2ー4.3万円)はかかります。

3-2-2. 歯医者、心療内科/精神科、フィジオセラピー(ハリ治療、整体)、出産がカバーされない

なんとメディケアは歯医者がカバーされません。一般的な30-40分程度の歯科検診、歯のクリーニングは$300(2.5万円)以上かかります。

えー!高いー!!!

虫歯治療などは$1,500-$3,000(13ー25万円)かかります。抜歯なら数百万円です。
オーストラリアは歯科治療費用が非常に高く国民の間で批判も多いです。支払いを危惧して歯医者に行かない人も多くいます。

不安や落ち込み、ストレス過多の時に受診する心療内科/精神科もカバーされませんし、外科手術やケガの後のリハビリで通うフィジオセラピー(ハリ治療、整体)も退院してしまうとあとはメディケアのカバー対象ではありません。

出産は約$5,000前後かかりますが、出産もメディケア対象ではなく実費です。

3-2-3.処方薬が高い

Public Hospitalに入院中に処方される薬は無料ですが、退院後購入する処方薬は自腹です。風邪薬や軟膏などであれば$15-$20程度ですが、糖尿病、高血圧、アレルギーなど慢性疾患の薬は高額です。高額な薬は実はメディケアから補助が出ているのですが、補助後の金額ですらまだ高く、$100(8千円)以上という場合もあります。

3-2-4.Pubic PatientはSpecialistとHospitalを患者が選べない

メディケア加入者は無料の公的医療を受けようとすると、まずどこのBulk Billing GPと呼ばれるクリニックに行くか決めます。例えば、自宅や職場の近くということで選んだりします。

その後、Bulk Billing GPはTest SpecialistとSpecialistを紹介します。仮に入院・手術が必要になった場合は、SpecialistがPublic Hospitalを手配します。

Public PatientはSpecialistドクターとHospitalを選ぶことはできません
正確には紹介可能なHospital リストから患者は病院を選択します。

おそらく皆さんは日本でこんな風に病院を選んでいませんか?

「この病気はあの病院がいい」とか、「あのドクターがおススメ」、「あそこはやぶ医者」など「評判」や交通の便で受診する病院を自分で決めますよね。

もちろん患者が住む場所から何十キロも離れた病院は紹介されませんが、オーストラリアの場合、基本的にPublicPatientはSpecialist ドクターとHospitalを選べす、指定された専門医と病院で治療、入院、手術することになります。

3-2-5.Public Patientは手術や入院のスケジュールを選べない

手術や入院が必要な場合は、救急以外はSpecialitが手術や入院のためのHospitalを予約します。一般的に、予約後にすぐ手術、入院はできず、ウェイティングリストに載り、自分の順番が来るまで待つ必要があります。場合によっては数ヶ月待ちます。

Public HospitalはPublic Patientの受け入れ枠数を予め決めています。しかも他の病院が早く手術できるからといって他に転院はできません。

手術、入院の大体の時期は教えてくれますが、詳細の手術、入院スケジュールはかなり直前に来ます。例えば2週間前とかです

仕事や学校どーするのー??

2020年はコロナの影響でパブリックの総合病院の手術予定が大幅に遅れたと聞きます。

3-2-6.Private Hosopital(民間病院)を選んだ場合、メディケアはHospital治療費をカバーしない。

PrivateHospitalの利点はSpecialist Doctor、Hospitalを患者が選ぶことができます。またウェイティングリストはなく、速やかに手術、入院の手続きができます。

メディケアはPrivate HosopitalをカバーせずHospital治療費は実費負担で数百万円の可能性もあります

さー、ここまで読んでくれた読者の皆さん、オーストラリア移住後はメディケアだけで大丈夫でしょうか?

メディケアだけでやっていけないこともないのですが、病気やけがの時にちょっとこれでは心細いと思う方もいるでしょう。

次にメディケアを補完するオーストラリア民間医療保険を解説します。

4.オーストラリアの民間医療保険について

日本人は民間保険に加入し過ぎると言われます。心配性だからでしょう(笑)。

オーストラリアの公的医療システムは素晴らしいです。オーストラリアでは民間保険に入らず、メディケアだけの国民は2019年時点で約57%もいます。

しかしメディケアではカバーされない領域もあるのも確かです。

本項ではオーストラリアの民間医療保険の目的、メディケアの補完項目を説明します。

民間医療保険は保険会社によって内容が少しずつ異なりますが、各社おおむね同じです。

4-1.民間医療保険は歯科治療、出産、フィジオセラピー、心療内科/精神科、救急車での救急搬送をカバーする

民間医療保険はこれらメディケアが適用しない治療をカバーする保険メニューが充実しています。

保険加入時に何をカバーするのか選択します。

4-2.民間医療保険は 高額な処方薬が保険カバーされる

ドクターから処方される薬に対し保険カバーされますが、高額薬(約$50以上)が対象です。ただし年間での保険適用の総額が決まっています。

4-3.民間医療保険は Private Hosopital治療費をカバーする

民間医療保険はPrivate Hosopitalの治療費(手術、入院、高度治療)をカバーします。

Private Hospitalの利点はSpecialist ドクター、Hospitalを患者が選ぶことです。またウェイティングリストはなく、速やかに手術、入院の手続きができます。

大きな病気やケガをした場合、誰もができるだけ早く、良質な治療を受けたいと考えます。

Private(民間医療)の場合のメディケアと民間医療保険のカバーが一覧にしました。☟

 Private(民間医療)の流れメディケアからの保障民間医療保険からの保障
Private Billing GP(クリニック)「国が定めた標準診察・治療料金」のみメディケアが保障(患者の前年年収によって変わる)
残りの「追加診察・治療料金」は個人負担
なし
高額処方薬は補 助
Test Specialist(検査専門病院)「国が定めた標準診察・治療料金」のみメディケアが保障(患者の前年年収によって変わる)
残りの「追加診察・治療料金」は個人負担
なし
Specialist(専門病院)「国が定めた標準診察・治療料金」のみメディケアが保障(患者の前年年収によって変わる)
残りの「追加診察・治療料金」は個人負担
なし
Private Hospital
(手術、入院)
なし保障
メディケアがカバーしない治療メディケアからの保障民間医療保険からの保障
歯医者、心療内科/精神科、フィジオセラピー(ハリ治療、整体)、出産なし保障
何をカバーするか契約時に細かく決定

オーストラリア政府は公的医療費の抑制をすることでメディケアを安定的に運営するため、国民に民間医療の追加加入を強く推奨しています。

民間医療保険の詳しい内容は次回のブログで解説します。

5.日本の民間医療保険を見直そう

あなたがもし日本で民間医療保険に加入されているなら、海外移住の前に医療保障に部分を絶対に見直すべきです。

オーストラリアでは公的医療制度が充実し、さらに民間医療保険で将来のケガや病気に対するリスクを軽減します。

オーストラリアの保険に加え、日本でも民間医療保険も加入し続けてしまうとオーストラリアと日本で保険が重複し、費用負担もばかになりません。

ぜひ、少し早めにあなたが現在加入している保険の医療保障を見直しましょう。

移住前にいろいろ調べたり、保険契約変更することをお勧めします。なぜならば、日本では未だに保険契約は日本国内に居住している人にしか販売できないからです。

つまり’海外へ移住後は日本の医療保険には加入できません。

海外移住後は日本の医療保険を解約してオーストラリアの医療保険一本にするということでもいいでしょう。

またオーストラリアと日本の医療保険は内容が異なるため、日本の医療保険を減額見直ししつつ契約を残すという選択肢もあります。

日本の民間医療保険は特にガン、脳卒中、脳梗塞など高額な治療の際の個人持ち出し分をカバーできるよう、入院給付金やお見舞金、通院費、3大疾病保証、海外での病気やケガ対応などオーストラリア含め海外の医療保険にはない補償カバーになっています。

「終身型医療保険」は日本で普及している医療保険の一つで、被保険者は死亡するまで保険が適用される保険で、保険料を60歳~65歳まで支払い完了すれば、そのあとは保険料を支払わずとも保障は一生涯続きます。

私は日本で加入していたS友生命の医療保険を見直し、外資系医療保険会社に変更しました。そして補償を低くして支払い額を大きく減らし、今も継続加入しています。

日本の医療保険は見直すことを強くオススメしますので「保険の見直しラボ」に相談してみてはいかがでしょうか?

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保険の見直しラボは特定の保険会社に偏ることなくクライアントのニーズに合わせて医療保険を提案してくれます。プロのファイナンシャルプランナーがあなたの自宅もしくは自宅の近く(例えばカフェやファミレス)へ訪問して保険の見直し相談してくれます。家の近くに保険店舗がない場合や子供が小さくて出かけられない場合はお勧めです。
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保険コネクトもお勧めできる独立系保険サービスです。

特定の保険会社に偏った保険商品ではなく、海外移住するあなたのライフプランに合わせて最適な保険を提案してくれます。
コンプライアンスもしっかりしており、無理な保険勧誘もありません。

全国対応していますから以下のサイトから問い合わせすると、あなたがお住いの近くでファイナンシャルプランナーを紹介してくれます。

今、アンケート回答、保険無料相談をするとプレゼントがもらえるそうです。

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保険の見直しラボ保険コネクト保険が成約になるまでは費用はかかりません。
コンプライアンス教育がしっかりしており、しつこい勧誘もなく、もし紹介された担当者が気に入らない場合は変更することもできます。

保険は専門知識がないとネットやカタログの情報だけではどれにすべきかわかりませんよね。
実際に保険の見直し(契約変更)は海外移住が決まった時でも構いませんが、現状の医療保険のどの部分を見直すのか、「保険の見直しラボ」もしくは「保険コネクト」のファイナンシャルプランナーに相談するだけでもいろいろヒントがもらえます。

まとめ

今回はオーストラリアの医療制度について解説しました。
・オーストラリアでは「メディケア」という公的医療制度が普及しています。

・オーストラリアではGP(クリニック)→Test Specialist(検査専門病院)→Specialist(専門病院)→Hospital(総合病院)という受診スタイルが決まっています。
・患者は病気治療で公的医療Publicと民間医療Privateを選択できます。
・Publicはメディケアがカバーし、医療費が無料です。

・Privateは患者の希望に沿った治療を提供しますが、メディケアの対象外となり一部もしくは全額実費負担となります。
・メディケアは、歯科治療や出産などカバーしない領域があります。
・メディケアのカバー不足領域を補完する目的で民間医療保険がオーストラリアで販売されています。
・オーストラリアで民間医療保険に加入すると、現在日本で入っている医療保険と重複がおきてしまいます。海外移住前に医療保険の見直しは必須です。

おまけ:オーストラリア公的医療と民間医療の違いを例えで言うなら、、、

Private専用の総合病院があるいっぽう、大学病院などはPublicとPrivateの両方の患者を受け付けている場合もあります。

これはどういう意味でしょうか?同じ大学病院内で設備やドクターが分かれているわけではありません。

なぜ同じ病院、ドクター、設備なのにPublic Patientは無料、Private Patientは高額の有料なのでしょうか?

大きな総合病院や大学病院は患者枠をPublicとPrivateでそれぞ持っているためです。

例えて言うなら、「無料エコノミーチケットと正規ビジネスチケットで日本から外国へ飛行機で移動する差」って感じですね。

一方は航空券のお金を払わず、マイレージを使ってエコノミークラスで搭乗(マイルエコノミー)し、もう一方は正規運賃を払ってビジネスクラスで搭乗(正規ビジネス)します。

以下「マイルエコノミー」と「正規ビジネス」と表記します。

マイルエコノミーも正規ビジネスも共に目的は飛行機で日本から海外へ移動することです。マイルエコノミーも正規ビジネスもビジネスクラスも機体、パイロットは共通ですよね。マイルエコノミーは食事や飲み物に多少の選択肢はありますが、正規ビジネスより劣り、食事のクオリティと選べるワインに差があります。

マイルエコノミーと正規ビジネスでは搭乗日程や便の選定でも差は大きくあります。マイルエコノミーは持っているマイルの提携航空会社からのみの選択で、年末年始など繁忙期に予約できず、予約可能座席数も制限されています。


いっぽう正規ビジネスはマイル提携航空会社を気にせず、自分の希望で選べます。日程や座席も柔軟で、チケット予約後の日程変更も可能です。急遽欠航が起きた場合、マイルエコノミーは次の同便を待つしかなく、日程変更を余儀なくされます。正規ビジネスは別便や別の航空会社に振り替えてもくれ、大きな日程変更を回避できます。

無料のマイルエコノミーは行程や時間に余裕があり、自分が健康、元気で、安くあげたい時は問題ありません。しかし緊急にすぐ搭乗したい、日程がすでに決まってスケジュール遅延が許されない場合や体調が悪い時、長時間フライトなどは正規ビジネスに分があります。

無料なんだからマイルエコノミーで問題ないという人もいれば、ゼッタイに正規ビジネスがいいという人もいます。

オーストラリアのHospitalでPublic(公的医療)、Private(民間医療)が共存するのはこの航空チケットの差みたいなものです。
機体は検査機器/Hospital、パイロットはSpecialistドクターと考えてください。PublicもPrivateも目的は病気やけがを治療し完治することです。治療を受ける検査機器/病室とSpecialistドクターはPublicとPrivate共通です。
Bulk billing GPはエコノミークラス担当のキャビンアテンダント、Private Billing GPはビジネスクラス担当のキャビンアテンダントだと考えてください。

ビジネスクラスのキャビンアテンド同様に、Private Billing GPのほうがBulkbilling GPよりいろいろケアしてくれますが、エコノミークラスのキャビンアテンダントが何か大事なことに事欠くかというとそうではありません。

患者の治療希望にどれだけそえられるかはエコノミークラスとビジネスクラスのサービスの差、入院、手術日程の希望はマイルエコノミーと正規ビジネスの日程変更の柔軟さの違いと考えてください。

歯科治療や救急車はビジネスクラスで飲めるシャンパンだと思ってください。シャンパン飲まなくても飛行機の旅はできます。シャンパンが飲みたくなったら、お金を出してワングラス買ってください。歯科検診しなくても命には別条はなく、虫歯が痛くなったら、自費で歯医者に行ってください、という感じです。

重い病気で体調が悪い時、できるだけ早く医療受けたいとき、あなたはマイルエコノミーで治療受けたいですか、それとも正規ビジネスか?

同じHospitalなのにPublic PatientとPrivate Patientが併存する状況についてこの例がわかりやすいか、自信ありませんが、あなたが少しでも理解してもらえればうれしいです。

さて、本記事はオーストラリア永住権を取得した後の医療保険について解説しました。

就労ビザで海外移住し、後で永住権を取得する場合は、永住権取得までの間はメディケアには加入できません。
その間は民間保険会社のビジター保険に加入します。前回ブログ「海外移住後の医療保険①【永住権取得前編】&【おすすめ保険会社3社】」も参考になるのでぜひ読んでください。

いかがでしたか?

今回の記事が皆さんの海外移住の参考に少しでもなれば嬉しいです。

これからも役立つ情報を紹介していきます。

ではまた。

※ぜひ本記事を皆さんのSNSでシェア、拡散いただき、たくさんの方に読んでもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。

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